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#20124 2009年2月19日(木)13時59分
From: 和井 恵
Subject: 『シュレーディンガーの猫』の、続きです

昨日は、用があって外出していたために、
『シュレーディンガーの猫』の思考実験の説明だけで終わってしまい、
肝心なこの思考実験の「誤り」の部分の説明をすることが出来ませんでした。

ごめんなさい。(今回から、語調を元に戻しますね)

さて、それでは、さっそく検討に入りましょう。

まず、量子と検知機(起爆装置)、そして猫との「関係性」を見てみます。
量子と、それの出現を観測する検知器とは「直接的な関係」です。
つまり、直接にお互いに影響を及ぼし合う関係(量子の収縮を認めた場合)なのです。
そして、毒ガスの起爆装置の役目をする検知器と、猫とでは、
猫が影響を受け取るという、一方通行的な「直接関係」になります。

しかし、量子と猫とは、検知器を仲立ちとした「間接的な関係」なのです。

これは、喩えて言えば、「ドミノ倒し」の関係と同じなのです。

A、B、Cというドミノ(量子、検知器、猫の関係)が並んでいます。
Aは倒れてBにぶつかりますが、A自身が軽いのでBからの反発力も受けて、
Bとは逆の方に、反転して倒れてしまいます(Bからの影響)。
BはAに押されて、Cのほうへ倒れていき(Aからの影響)、Cにぶつかります。
CはBに押されて(Bからの影響)、そのままBと同じ方向に、
BもCも一緒になって、共に倒れてしまうのです。

つまり、AとCとの間にBが入る(仲立ち役)という関係なので、
CはAから、直接的な影響を受けることはまったく無いのです。
Bが間に入らなければ(関わらなければ)、AとCは無関係のままなのです。
そして、「いつ」関わるのかと言えば、量子が観測された瞬間のみなのです。
つまり、粒子となったときの量子の影響しか受けないのです。

ですから、仮に量子が「重ね合わせ」状態だったとしても、
猫がその影響を受けて、同じような状態に陥ることなどあり得ないのです。

もっとも、箱の中でその猫が、印を組んで真言を唱え、
三密加持して「入我我入状態」となっていれば、別かも取れませんけどね…

要するに、猫と起爆装置としての検知器との関係を調べてみると、
単純に50パーセントの「死の確率」の関係性で結ばれているだけなのです。
だから例えば、その箱から量子検知器と放射物(量子)を取り出して、
代わりに自動タイマー付きの「弾が3発入った拳銃(リボルバー)」を、
中に入れて、時間が来るとロシアンルーレットが開始されるようにする、
という設定と、条件的には何ら変わりがないものとなるのです。

要するに、「シュレーディンガーの猫」とは、
無理矢理頭の中で考え出された「こじつけ」なのです。
量子の持つ特殊性(?)にばかり目が奪われてしまっていて、
量子と検知器と猫との、お互いの因果関係を、正しく把握出来ていないのです。

このような穴の開いたいい加減な「思考実験」など、しない方がましなのです。
こんな奇妙な「教義」を信仰してしまうから、混沌とした世界観に没入しまうのです。


そこで、次に、「観測されると、量子が収縮する」という仮説を検証してみましょう。
果たして、このようなことが、本当に量子レベルの世界で起きているのでしょうか?

(以下、「波動関数(力場)が一つの状態に収縮する」という仮説の誤謬、につづく)

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