![]() 昨日は、用があって外出していたために、 『シュレーディンガーの猫』の思考実験の説明だけで終わってしまい、 肝心なこの思考実験の「誤り」の部分の説明をすることが出来ませんでした。 ごめんなさい。(今回から、語調を元に戻しますね) さて、それでは、さっそく検討に入りましょう。 まず、量子と検知機(起爆装置)、そして猫との「関係性」を見てみます。 量子と、それの出現を観測する検知器とは「直接的な関係」です。 つまり、直接にお互いに影響を及ぼし合う関係(量子の収縮を認めた場合)なのです。 そして、毒ガスの起爆装置の役目をする検知器と、猫とでは、 猫が影響を受け取るという、一方通行的な「直接関係」になります。 しかし、量子と猫とは、検知器を仲立ちとした「間接的な関係」なのです。 これは、喩えて言えば、「ドミノ倒し」の関係と同じなのです。 A、B、Cというドミノ(量子、検知器、猫の関係)が並んでいます。 Aは倒れてBにぶつかりますが、A自身が軽いのでBからの反発力も受けて、 Bとは逆の方に、反転して倒れてしまいます(Bからの影響)。 BはAに押されて、Cのほうへ倒れていき(Aからの影響)、Cにぶつかります。 CはBに押されて(Bからの影響)、そのままBと同じ方向に、 BもCも一緒になって、共に倒れてしまうのです。 つまり、AとCとの間にBが入る(仲立ち役)という関係なので、 CはAから、直接的な影響を受けることはまったく無いのです。 Bが間に入らなければ(関わらなければ)、AとCは無関係のままなのです。 そして、「いつ」関わるのかと言えば、量子が観測された瞬間のみなのです。 つまり、粒子となったときの量子の影響しか受けないのです。 ですから、仮に量子が「重ね合わせ」状態だったとしても、 猫がその影響を受けて、同じような状態に陥ることなどあり得ないのです。 もっとも、箱の中でその猫が、印を組んで真言を唱え、 三密加持して「入我我入状態」となっていれば、別かも取れませんけどね… 要するに、猫と起爆装置としての検知器との関係を調べてみると、 単純に50パーセントの「死の確率」の関係性で結ばれているだけなのです。 だから例えば、その箱から量子検知器と放射物(量子)を取り出して、 代わりに自動タイマー付きの「弾が3発入った拳銃(リボルバー)」を、 中に入れて、時間が来るとロシアンルーレットが開始されるようにする、 という設定と、条件的には何ら変わりがないものとなるのです。 要するに、「シュレーディンガーの猫」とは、 無理矢理頭の中で考え出された「こじつけ」なのです。 量子の持つ特殊性(?)にばかり目が奪われてしまっていて、 量子と検知器と猫との、お互いの因果関係を、正しく把握出来ていないのです。 このような穴の開いたいい加減な「思考実験」など、しない方がましなのです。 こんな奇妙な「教義」を信仰してしまうから、混沌とした世界観に没入しまうのです。 そこで、次に、「観測されると、量子が収縮する」という仮説を検証してみましょう。 果たして、このようなことが、本当に量子レベルの世界で起きているのでしょうか? (以下、「波動関数(力場)が一つの状態に収縮する」という仮説の誤謬、につづく) |