サーカーの哲学では、大宇宙の根源にある意識すなわち精妙なる極小の存在が粗大化してこの物質世界のありとあらゆるものとして展開しています。言い換えれば、精妙なる極小の存在が全宇宙の心であり、ありとあらゆるものが同一の全宇宙の心の顕現です。したがって、全宇宙の心に一体化した心からこの天地万物をみる時、あらゆるものは同じように大切であり、尊重されるべき存在となります。 サーカーの述べている絶対的存在者、宇宙の根源にある無限の意識、全宇宙の心を神と呼ぶとサーカー哲学は、宗教と受け止められるかもしれません。しかし、あくまでサーカーは自らの哲学を宗教ではないと言います。哲学的には人類最古の哲学であるウパニシャッド哲学を継承しており、それは「万物の根源の一から分かれ無限の多が生まれた」というonenessの思想です。基本的にはスピノザやヘーゲルのすべてが神のあらわれという汎神論哲学と共通のものです。単なる汎神論哲学の思想と違うのは、サーカーは、宇宙の根源の意識に自らの心を到達させるための直観科学という実践論をもち、実際に弟子たちを指導したことです。 |