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#23362 2009年7月4日(土)04時40分
From: ZERO
Subject: 性と呪殺の密教
ある人のレビューが まあまあ共感できたんで、、 以下コピペ

ドルジェタクって誰?というのが最初の印象ではないか。
日本ではほとんど知られていない人物である。
チベット仏教によほど関心のある人でないと聞いたこともない人名だろう。

ドルジェタクの活躍した時代のチベットはまさに乱世である。
各地で有力者が割拠する時代。
その力の象徴の一つが呪術である。
本書でも多く触れられ、私には最後まで今ひとつ得心しがたい部分もあったが、呪殺の嵐が吹き荒れていた時代であった。呪殺が現実の話として語られる。呪術の腕前が金を生み、生死を分ける。現実とは思えない社会である。

しかも、その呪力の源は性的エネルギーである。
古今東西、多くの宗教が性の問題を封印したり回避してきた中、後期密教は性を積極的に取り入れていった。チベットにおける密教受容の初期はまさに性と暴力の様相を色濃く持っていた。我々の持つ仏教のイメージから遙かに離れた存在である。本書にもおどろおどろしい評言が各所に見られる。おそらく、これでもかなり表現を薄めたものの想像される。原書ではどこまでグロテスクな表現に満ちていたのであろうか。

そんな当時のチベットで絶大な呪力を誇ったのがこのドルジェタクである。
ドルジェタクが他の行者たちと異なる点はインドにまで修行に行った顕密両面で最高峰の域に達していたと言うことである。
チベットが密教を自らのものとしていく過渡期に現れた偉人であろう。後世からは破戒僧ととらえられかねない破天荒な人物である。性的・呪術的な側面を次第に背景へと後退させていくチベット密教史の中でドルジェタクが依然高い評価を維持していると言うことはチベット仏教、ひいては宗教における光と闇、実践と理論を考えていく上で興味深い材料となるであろう

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