タイ紀行 其の3 バンコクから成田に帰って来て、通関手続きを終え出口に来ると、目の前に入船が立っている。 入船の車で新宿に 俺が悪かった。 ムショダチに、五百騙された。 いつか埋め合わせするからな。 チャカを二丁持ち帰ったから、これで辛抱せよ。 等と言うと、入船が あにさん、これわしにおくれん。 と言うので、ヤツガレ、 ほいじや、これで五百万チャラにするぞ。 といって、チャカと玉2ケースを渡した。 入船に関しては、ヤツガレに入船を騙したと言う、心の負い目があり、入船の元に居候を続けることは、ヤツガレの気持ちが許さない。 ヤツガレ、入船とここで袂を分かっことになる。 知人の写真家に仕事がないかと聞くと 東京都下青ヶ島村で四季折々の花を一年とりつづける仕事ならあります。 と言うので、此れを受けることとして、実家の母に電話して、 撮影機材を青ヶ島村役場に送ってくれるように頼み、 平成五年一月五日羽田から八丈島に飛び、離島対策のヘリコプターで、青ヶ島に飛ぶわけである。 そこには、平成六年四月迄いることになったが 此処はその昔、流人の島、刑務所と一緒で禁欲生活 酒も煙草もたしまぬヤツガルにとつては ただ考えることは、 オラワン、恵 そして恵と泊つたチエンライのホテル、インカムの歌手ケイに会いたい。 四月に入り、成田バンコク間のチケットを手配して、撮影を15日休み離島するのである。八丈島から羽田に飛び、羽田から西武新宿プリンスホテルにタクシーを走らせた。 その夜、女を求めて、夜の新宿歌舞伎町、偶然 オラワンに 貴方浮気あるな、 貴方嘘つき、どうして、電話くれないか、 私、貴方の奥さん、 貴方奥さんのこと心配ないか。 兎に角、ボロカスに言われた。 オラワンはホテルに附いて来て、部屋に入るなり、 財布見せて といって、手を出す。ヤツガレが財布を出すと、10万抜きとり、 もらってゆくわよ といって、抱かせないで帰って行った。 頭に来て、寝れなかった。 オラワンの強かさに呆れたと同時に感心した。 ヤツガレその日、ホテルのベッドに膝小僧を抱いて寝る羽目になる。 翌日、成田に行きタイ国際航空にてバンコクに向かうことになるのだが、行くてに何が待ち受けているのか? しるよしもない。後日に続く。 |