喫茶Honfleur掲示板 2007～2009年

Message#17533 2008年11月15日(土)12時45分
From: 神風代理人

走る爆弾娘第十六話

ダイ紀行其の3 続編
タイ国際航空の旅客機が、成田を離陸して、機長によるベルト着用の解除が伝えられると
通路を隔てて、隣り合わせの女が、
お兄さん、タイ行きますか？
と話しかけてきた。
女の顔を観ると、十人並みなんだけど、首筋に赤い痣がある。
チエンライ、行きます。
と答えると、赤痣の女は、
お兄さん、わたしチエンライから近いよ
お兄さん、チエンライ、奥さんいるか？
と聞いて来るので、
奥さんいない、わたしシングル。
あなた、わたしの奥さんなるか。
等とりとめのない会話を交わすのである。
赤痣の女は、前日バンコクから成田に向かい、日本上陸を拒否されてバンコクに折り返すとのこと、
機内販売の香水3本を求めて 1本を女にやり、やがてバンコクに到着、
入国審査、通関手続きを終えて、ハイヤー乗場に向かうと赤痣の女が、
お兄さん、わたしも乗せて
といって、ついて来るのである。ヤツガレ鼻の下長くして、内心、今夜この女いただき。と有頂天になるのだが、
先の訪タイで恵に案内してもらったホテルのネームカードをハイヤー運転手に見せて、ホテルに行くように言う。
理由はともあれ、アベックで乗り付けて部屋を2部屋取るのだから、ホテル側は、怪訝な顔をする訳である。
その夜、赤痣の女を抱くことは出来なかった。
生でやりたかつたけど、エイズが怖いから、例の岡本持っていなかった。
なんだよ。えらいチョンボをした。今回、女無しかよ。
心中やるかたない気持ち。
まぁ、いいか、恵に言えばなんとかなるよ。
軽い気持ちで翌朝、空港に国内カウンターで、チエンライ迄のチケットを求めようとすると、赤痣の女が
お兄さん、チケットイラナアよ。
といって、ヤツガレに
成田、バンコク間のチケットを下さい。
と言うので、言われるままにチケットを渡した。
女は、チケットを見せて、カウンター職員と二言みこと話しをして、チケットを買う必要がなくなった。
女の説明に依ると、タイ国際航空で成田、バンコク路線を利用するとバンコクから1区間無料とのこと。
やがて機内の人となり、飛んだ先は、チエンライ国際空港である。
ヤツガレがハイヤーに乗ろうとすると女は、
お兄さん、友達の住所あるか？
といって、ハイヤーに乗りこんで来るので、
貴女、家帰るいいよ。
と言うのだが、ハイヤーから降りてくれない。
ハイヤー運転手に
ラオノンボレン
と行き先を告げる。
読者諸兄は、ここで疑問を懐くであろう。
先に訪タイして恵の家にいつてアドレス無しで、行けるのか？
読者諸兄の疑問はもっとも、ヤツガレ日本で新聞配達をしたことがあり、配達を順路記号で習得するから
先の訪タイで恵の家迄、頭の中に順路が入っている。
恵の家につくと、恵はバンコクに行って留守、恵の父親に恵宛のメモを渡して、赤痣の女の家に行くことになる。
其所に2、3日世話になり、恵が迎えに来たので、ホテルインカムに向かうことになる。
この時、赤痣の女の家周辺10キロ四方が後に、走る爆弾娘の潜伏先になるなどの思いも及ばない。
インカムにチェックインしたヤツガレと恵岡本がないから、、、、
夜になりホテルのディナーショー、歌手ケイの姿がない。
恵に言って調べて貰うとチェンマイのダイヤモンドホテルに出演していることがわかった。
翌日、路線バスでチェンマイに移動して、夜を待ってダイヤモンドホテルのディナーショにタイでは日本人お金持ちで通っているから、特等席に案内され、ケイの出番を待っ
ケイが日本の童謡、さくらを歌い出すと、ヤツガレの左側の席からタイ人の客がタイバーツ紙幣百をポチキスで留めてネックレス状にしたものを、ケイの首筋に掛けるのである。
客席から拍手、拍手、拍手。
ヤツガレ、恵に言ってマネージャーからホチキスを借りさせ、500B紙幣30枚のネックレスを作り、ケイの首筋に掛けるのである。
それを見て、客席から万雷の拍手。ヤツガレ、最高の優越感。
翌日、ケイがホテルに迎えに来て、これ又、ベンツ
どうしてタイ人はベンツに好んで乗るのか？
連れて行ってくれた先が、ドイインターノン山頂迄行き、タイ陸軍のレーダー基地、ワツトポーから見るミャンマー、ベトナム、ラオスカンボジアの山並み、内心、こんなところに隠れ住んだら分からないなと考える。
後に、走る爆弾娘の移動アジトにする等、思いもおよばなかつた。
ここの滝の麓にベトナム戦争の枯れ葉剤の影響で両首の先がない。そしてリヨウヒザから先がない、綺麗な女がものごいをしていた。
ヤツガレ、そのさまを見て、哀れに思い、恵に言ってその女の親に会い、日本円二十万を渡すのである。
チェンマイの街に戻り、2、3日滞在して、恵に同行して貰いメイサイにチャカを買いに行き、入手してバンコクに帰って、帰国の途に着くのである。
旅客機に乗る以上、世界で一番安全、サービスが行き届いているシンガボール航空に乗るのが、最適だが、
やはり渡航先の国の航空会社利用がベターである。
この時のチャカの持ち込みは楽勝であつたことは言う迄もない。
後日に続く。

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